聞きたいこと・聞けないこと・言わないこと〜田口くんと錦戸くんと山下くんと〜

「聞きたいこと・聞けないこと・言わないこと」この3つの共通点はなんでしょうか?


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先日、ベストアーティスト2015で、KAT-TUNの田口君が春からの契約更新を行わずジャニーズ事務所を退所することを発表しました。突然の発表に、ジャニーズLOVEメドレーを楽しみに、わくわくしてテレビの前にスタンバイしていた私は絶句。正直、メドレーでどのグループが何を歌ったのかほとんど記憶にありません。V6が全員でバク転を披露する衝撃的な展開を見るまで、なんとなくぼーっとしていた気がします。ショック療法ってやつでしょうか。

 

4年前のちょうど今頃、NEWSから山下君と錦戸君が脱退しました。デビュー当初からNEWSの錦戸君を応援していた私はショックでショックで、ただただ現実を受け入れることができませんでした。「なんで辞めるの?」「何が理由なの?」「どうして辞めるのがNEWSなの?」

脱退が発表されたのち、山下君と錦戸君の2人には大きな違いがありました。ソロでやっていくかグループでやっていくかということではありません。「NEWSを辞めた理由を明確にするかしないか」ということでした。

 

山下君は前者です。この4年のうちに自身のソロ活動の場で、「1人で闘ってみたい」という自分の意思をファンに伝えました。NEWSを辞める理由・今のNEWSについて思っていること、たくさんその心情を聞く機会がありました。

 

ところが錦戸君はどうでしょうか。私が記憶している限り、この4年間錦戸君が「NEWSを脱退したこと」について言及したことはほとんどありませんでした。

公式に発表された内容も、「グループを掛け持ちすることにより、どんなに頑張っても解決できないスケジュールの問題で、それを申し訳なく思い、今回の決断に至った」といったものでした。

「…え、それデビュー当初からわかってことじゃない?」「だからなんで辞めるのがNEWSなの?」というのが当時泣きながらコメントを見聞きしていた私の感想です。

デビューさせるからには売れるグループを作り上げるというのは、古今東西どこの事務所も一緒だと思います。もちろんジャニーズ事務所も。だとすれば、いずれ両グループの掛け持ちが難しくなるということは、デビュー当初からジャニーズ事務所も理解しているはず。

そこでふと疑問に思ったのです。錦戸君の脱退理由は「自分の意思」によるものだったのか?と。コメントを見る限り、錦戸くんの意思によるものであるとも読み取れる文脈でしたが、実際の真実はわかりません。

4年経った今も真実はわかりません。事務所が一方的に決めた物なのか、自分がしんどくなったのか、エイトを選択したのは将来性があるからなのか、はたまた居心地がよかったからなのか。全く。何一つわかっていません。

 

 

Q.じゃあなぜ錦戸君は「言わない」のか。

 

脱退の本当の理由を聞いたら、私は納得できたのかと言われると答えはNOです。4年経った今でも脱退の理由は知りたいと思っています。ただ、先ほど挙げたうちのどれかが本当の理由だとしても、納得はきっとできない。

もしあの時、錦戸君が理由を明確にしていたとしたら。そこには「誰かを責める感情」が発生していたと思います。「事務所のせいだ」「関ジャニ∞のせいだ」「仲良くできなかったNEWSのメンバーのせいだ」「このタイミングでソロ希望した山下くんのせいだ」。もちろん今でもこういった感情を持っている人はたくさんいると思います。私自身そうです。でも、明確に脱退理由を提示していたとしたら。犯人や原因は1つに絞られてしまい、もっともっと激化してしまったでしょう。

例えば、「自分がしんどくなったから」という理由だとしたら、それは錦戸亮としての人気が下がり、ひいては関ジャニ∞の売り上げや人気の降下にも結び付き、他の人に迷惑をかけることに繋がります。だからこそ明確な言及を避けた。4年経っても有耶無耶のまま。そしてこれからもきっとそれは変わらない。他の理由にせよ、もっと甚大な被害がどこかで発生していたのだと思います。

 

 

A.そこには「誰かを思いやった気持ちがあったから」だと私は信じたい。

 

これに尽きると思います。では、山下君は思いやりがなかったのか?それも違います。

山下君は、自分の考えや想いを正直に公言することで「ファンを思いやった」のだと思います。彼は、「真実を知りたい」「納得ができない」というNEWSファンの気持ちを思いやった。犯人や原因を山下智久1つに絞って責められるように。グループに所属しないため、自分の人気降下は自身にだけのしかかってくる。錦戸ファンの、NEWSファンの、山下ファンのやり場のない気持ちを甘んじて受け入れる、気持ちの捌け口を自ら作ったのだと思います。そこには愛がありました。

「だったら脱退なんて最初からしなきゃいいだろ!」と思われる方もいるかもしれません。私も当時そう思っていました。でもきっとソロ活動をやりたいと思う気持ちを隠しながらNEWSの活動を続けていても、山下君のファンにはいつかバレてしまうのではないか。手越くんの言葉を借りれば、(グループとして)やる気のない人を残しておいても、それはお金を払ってくれているファンに申し訳ないと山下君は考えたのではないか、と私は自分なりに解釈しています。

 

 

ここまで読んでくださった方で「綺麗ごとだな」と思われた人もいらっしゃると思います。

でも私は、ファンである限りこの綺麗ごとを信じていきます。きっと私がファンでいるのを辞めた時に初めて「綺麗ごとかもしれない」と思うのでしょう。NEWSや山下君・錦戸君はアイドルでありジャニーズ事務所の大事な財力源・商品(人権がないという意味ではない)です。そしてファンはそれに価値を見出し、お金を出していく。

 

あくまでこれは私個人の感情なので賛否両論あると思いますが、あえて言います。

 

脱退していく過程、脱退したその後すら商品の一部として甘んじて受け入れて何が悪い。(開き直り)

お金払ってファンやってるんだからいいだろう!!!!!ええ開き直りですとも!!

 

 

話を一番最初に戻します。

今回の田口くんはどうでしょうか。田口君は「一身上の都合」とのみ語り、今日現在、明確な脱退理由の言及を避けています。ファンクラブのブログ更新もいつも通り。

脱退発表をしたベストアーティスト2015の前の田口君のブログ更新には、「ラブが溢れるステージにしたいな」と綴られていました。

 

脱退理由が色々噂されていますが、そのどれが本当なのかは現時点ではわかりません。これから明確にしていくかもしれないし、しないかもしれない。

KAT-TUNの3人のメンバーもそれぞれの想いをファンに伝えています。明確な脱退理由や今後の方針について提示してほしいと生放送を通じて訴える中丸くん、ファミクラに現れてファンに「グループとしての責任がある」といった思いを直接伝える亀梨くん、自分は応援してくれる人がいる限りKAT-TUNであり続けると、不安なファンの気持ちを晴らす言葉をウェブで伝えてくれた上田くん。そこには愛があると思いました。

 

 

NEWSの4年前とKAT-TUNの現在で異なること。それは、脱退までのカウントダウンがあることです。山下君錦戸君は現在もジャニーズ事務所に所属しているので、私は「脱退した後」すらも商品として甘んじて受け入れています。

ここからはさらに私の勝手な意見ですが、赤西君の脱退後もジャニーズ事務所に在籍していた期間は商品として受け入れていいのではと考えています。

田中君の場合は解雇なのでまた脱退とは異なりますが、ジャニーズ事務所にいた最後の一秒までの時間は商品として大切に持っていていいと思います。

田口君の気持ちは私には窺い知ることはできません。田口君の譲れないものはなんだったのか、事務所がKAT-TUNから田口くんを外してまで譲歩できない理由はなんだったのか。

気持ちを窺い知ることはできないけれど、今後の田口君の行動や言葉に、どんな気持ちが隠されているのか。来春まで、それを間違えずに見極めて受け取っていきたいなと思います。残されたメンバーの想いや田口君の脱退の経緯をいつか商品として受け入れられるように。他担が何言ってんだと気分を害された方がいらっしゃったらすみません。でも、ジャニーズ事務所にお金を落としているジャニオタの端くれの身として、来春までこの脱退の推移を見て行きたいなと思っています。

 

 

 

Q.聞きたいこと・聞けないこと・言わないこと この3つの共通点はなんでしょう?

A,この共通点は愛や思いやりだと思います。

ファンが理由を聞きたいのは、納得して次に進むその人や残されたグループを応援したい愛があるから。事務所が聞けない状況を作り出しているのは、所属している商品を大切にしているから。脱退したメンバーが言わないのは、誰かを思いやっているから。

 

なんだそれクサっ、とか言わないで!!だってお金払ってファンやってるんだもん!無茶苦茶やってるといつも評判のジャニーズ事務所だって、何かを大切にしていると思いたいじゃないか!綺麗ごとバンザイ!!!

 

 

 

たとえ、両手いっぱいになってしまった田口君が、右手ではなく、左手を両手いっぱいに伸ばして取ったのだとしても、田口君がKAT-TUNにいて、元気をもらったファンがいたこと。今もそれだけは変わっていきません。

 

 田口君、30歳のお誕生日おめでとう!